トップページに戻る 東京歯科大学市川総合病院 眼科 サイトマップ
HOME
眼科紹介
ご挨拶
沿革
年度別トピックス
診療医師・スタッフのご紹介
研究グループ紹介
掲載記事・取材のご紹介
業績一覧
セミナー・勉強会のご案内
地図・交通案内
患者さまへ
専門分野のご紹介
角膜移植をお受けになる方へ
治療実績のご紹介
疾患別のご説明
患者満足度調査結果
外来のご案内
月間医師外来スケジュール
関連施設のご紹介
臨床研究に関するお知らせ
求人情報
研修医募集案内
研究員募集案内
視能訓練士募集
その他求人に関するお問い合わせ
 
初診仮予約申込書FAXフォーム・ダウンロード
 

www をGoogleで検索 当サイト内を検索
セミナー・勉強会のご案内
 
イブニングセミナー実施記録
・2008.11.20 イブニングセミナー実施記録
新世代多焦点IOLとの上手なつきあい方 ―まるわかりマルチフォーカルIOL導入法―』
たなし中村眼科クリニック 院長 中村邦彦 先生

多焦点IOLの経緯

回折型→屈折型→新世代

年から新世代多焦点IOLの開発



■ 屈折型多焦点IOL

  • 光学部前面に遠用、近用ゾーンを設け、入射光の屈折を利用する原理。
  • 5ゾーンの多焦点機構を有するARRAY (R)はPMMA製PA154N、シリコーン製SA40Nとも良好な実績。
  • 近方視力が瞳孔径に依存する。
  • 構造上ハロー、グレアを自覚しやすい。

■ 回折型多焦点IOL

  • 光学部に階段状の段差を有する回折現象により入射光が遠用、近用に分配され 2ヶ所に焦点が形成される原理。
  • 近方視が瞳孔径に依存しない。
  • 入射光の41%ずつが遠用、近用に分配され、残り18%が回折により失われるため、コントラスト感度低下、遠方視力が不十分な可能性。

■ 新世代多焦点IOL

国内承認済

  • 屈折型 AMO社ReZoom(R)       ―グレア、ハローの軽減
  • 回折型 AMO社 Tecnis Multifocal
          Alcon社 ReSTOR(R)      ―コントラスト感度の改善

新世代多焦点IOLの比較

 

ReZoom(R)
(屈折型)

TecnisMultifocal(R)*
(回折型)

ReSTOR (R) **
(回折型)

遠方裸眼視力 1.00 0.6以上100% 0.7以上88%
近方裸眼視力 0.46 0.4以上100% 0.4以上100%
近用眼鏡装用 50% 0% 7.5%

グレア
ハロー

確認されず
確認されず

軽度17%
軽度22%

軽中度26%
軽中度35%


■ 新世代屈折型多焦点IOLの視機能の総括

屈折型 ReZoom(R)

  • 遠方から中間は良好な視力。さらに瞳孔径が充分
    確保されていれば、近方まで良好な見え方。
  • グレア、ハローの問題も軽減。
  • コントラスト感度も良好。
  • 被写体深度が深く、乱視の影響も受けにくい。
  • 近方視が瞳孔径依存。3mm程度以上の瞳孔径が要求されるので、高齢者では近方視が得難い。

回折型Tecnis Multifocal(R)  ReSTOR (R)

  • 瞳孔径に関係なく近方視力は良好。
  • 以前より、コントラスト感度は改善。
  • 相対的に中間の見にくさを訴える。
  • 屈折型にはコントラスト感度は劣り、なんとなく 遠くが見にくい、字がうすく見えると訴える人も いる。 (waxy vision)
  • 屈折型に比べ、乱視の影響を受けやすい。


■ 新世代多焦点IOLの適応例
屈折型 ReZoom(R)
瞳孔径依存なので、高齢者には不向き。 回折型に、近見は劣る傾向があるが、若年者で瞳孔径が大きければ意外と近見視力もよく、中間も見やすくコントラスト感度も良いのでよい適応
回折型 Tecnis Multifocal(R)  ReSTOR (R)
瞳孔径に関係なく近方視力が得られるので高齢者でもよい。かえって遠近両用眼鏡に慣れている人の方が適応が早い。


■ 多焦点IOLに必要な瞳孔径

  • 60歳以上では、屈折型多焦点IOLが機能するのは50%以下。
  • 実際に充分に機能するには瞳孔径3.0mm程度必要であるとすると、50歳台後半以上では回折型多焦点IOLを選択する方が無難。
  • 可能であれば、電子瞳孔計による瞳孔径測定が望ましい。

■ 多焦点IOLに注意すべき症例
完璧主義、神経質 近視


IOL挿入方法

通常、ReZoom(R)は アンフォルダーエメラルド、 Tecnis Multifocal (R)はアンフォルダーシルバー、ReSTOR(R)はモナークで挿入。
ウラワザ ReZoom(R)、 ReSTOR(R)はHOYA社インジェクターで挿入可能

多焦点IOLの目的・・・眼鏡への依存度を減少


■ 回折型多焦点IOL挿入眼での角膜乱視の影響
良好な裸眼視力を得るには術後角膜乱視が理想的には0.5D以内、多くとも1.0D以内であることが求められる。
それ以上の乱視では、術後の屈折誤差矯正が必要となることが予想される。


■ 屈折誤差を減少させるには
正確な眼軸長測定・・・IOLマスターの使用
術後の屈折誤差矯正・・・切開による乱視矯正
 (Touch up)     Limbal Relaxing Incision(LRI)
           LASIKによる屈折誤差矯正
                              
多くの症例が片眼のみのLASIKにて満足。
必ずしも、両眼のLASIKを行う必要はない。
同時に両眼の矯正をせず、患者の不満の大きい方の片眼のみを矯正して様子をみるのが良い。

屈折型
良好な遠方、中間視力
回折型に劣る近見視力
回折型
良好な近方視力
屈折型に劣る遠方視力
どちらも利点と欠点がある。

多焦点IOLの適応は、おおまかな傾向はあるものの最終的にはケースバイケースである。

 
[このページのトップに戻る]
 
眼科お問い合せ
 
地図・交通案内

東京歯科大学 市川総合病院 眼科の専門分野と疾患別のご説明