- 研究の目的や意義について
角膜上皮幹細胞疲弊症は角膜上皮幹細胞が障害を受ける病気で、角膜が結膜上皮に覆われ重度の視力障害をきたします。角膜上皮幹細胞疲弊症の原因として、スティーブンスジョンソン症候群、角膜熱傷・化学傷、眼類天疱瘡などが挙げられます。角膜上皮幹細胞疲弊症の治療法の基本は点眼や涙点プラグなど保存的な治療ですが、重症な方はそれだけでは視力の改善は期待できません。重度の視力低下がある方には、角膜移植や口腔粘膜移植などの眼表面再建術を行います。本研究は、角膜上皮幹細胞疲弊症で眼表面再建術を受けた方の診療録をもとに、治療結果や治療結果に関係する因子を検討して、今後の治療法の改善に役立てようとするものです。
- 研究の対象者について
2010年から2023年までに東京歯科大学市川総合病院眼科で角膜上皮幹細胞疲弊症と診断されて眼表面再建術を受けられた方を対象とします。研究の対象となることについてご了承いただけない場合は対象とはいたしませんので、お申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
- 研究の方法について
この研究を行う際は、診療録に記載された医療情報から以下の情報を取得し、治療前後の視力、角膜上皮幹細胞疲弊症の原因、重症度、涙の分泌量、予後(角膜移植の生存率)やそれに関与する因子について検討します。
[取得する情報]
年齢、性別、視力、眼圧、角膜混濁グレード、原疾患、涙液分泌量、角膜上皮幹細胞疲弊症の重症度、グラフト生存率、合併症、手術時間、前眼部光干渉計の他覚検査データ(混濁・不正乱視)
- 研究期間について
研究期間は倫理審査委員会の承認後から2030年3月31日までとします。
- 健康被害が発生した場合の対応 について
この研究では、あなたに通常の治療に使用するお薬以外のお薬を使ったり、特別な医療機器による検査をしたりすることはありませんので、この研究が原因となる健康被害が発生することはないと考えられますので、特別な補償制度はありません。
- 経済的な負担や謝礼について
あなたに通常の治療費以外に新たな負担を求めることはありません。また、あなたに謝礼をお渡しすることもありません。
- 研究への参加とその撤回について
研究の対象となることに了承いただけない場合はいつでもお申し出ください。希望しないという申し出によって不利益な扱いを受けることはありません。
- 個人情報の取扱いについて
視力など診療録の情報をこの研究に使用する際には、仮名加工情報として、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別することができないよう個人情報を加工します。情報は管理責任者 山口剛史によって管理され、一連のファイルにはパスワードを設定します。この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
- 試料や情報の保管等について
この研究において得られた研究対象者の情報は鍵のかかる場所に保管され、この研究のために使用し、研究終了後は5年間保存した後、または最終結果を公表した日から3年間保存した後のいずれかの遅い日まで保存し、廃棄します。
- 研究に関する情報や個人情報の開示について
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報および知的財産の保護に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
- 研究の実施体制について
この研究は以下の体制で実施します。
研究責任者
東京歯科大学市川総合病院眼科
教授 山口剛史 (研究責任者)
研究分担者
東京歯科大学市川総合病院眼科
島ア潤 冨田大輔
- 倫理審査委員会の承認
本研究は当院倫理審査委員会の承認を経て病院長の許可を得て行われるものです。
- 研究を中止する場合について
研究責任者の判断により、研究を中止しなければならない何らかの事情が発生した場合には、この研究を中止する場合があります。なお、研究中止後もこの研究に関するお問い合わせ等には誠意をもって対応します。
- 情報公開の方法・研究の資金源・利益相反について
研究成果は学術誌に公開されます。この場合、個人情報が特定されることはありません。またこの研究は特定の研究資金を得て行われるものではありません。
- 相談窓口
この研究について相談したいことがあれば、下記までお申し出ください。
[お問い合わせ先]
東京歯科大学市川総合病院眼科 山口剛史
〒272-8513 千葉県市川市菅野5-11-13
電話番号 047-322-0151 内線1483
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