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市川総合病院
当科はドライアイ、アレルギー、角膜移植など前眼部疾患を専門としています。併設のアイバンクの協力を得て、今では国内最多の角膜移植を行っています。臨床だけでなく角膜再生医療の研究にも力を入れており、前眼部疾患を学びたい医師、研究したい研究者、治したい患者さんが集まる教室であり続けたいと考えています。
 
 
 

東京歯科大学市川総合病院でこれまで円錐角膜に対して角膜移植手術を行った症例の中で術後半年以上経過を追うことのできた332症例の術後成績をまとめて、学会などで発表しました。その内容を紹介いたします。


術後の平均経過観察期間は37.7ヶ月で、最終受診時の透明治癒率は99.1%でした。これは角膜移植手術後に移植された角膜が透明なまま患者様の眼に生着していた割合がとても高いということになります。

手術後の合併症としては高眼圧や緑内障が9.6%の症例で見られました。このうちほとんどの症例は点眼薬の変更や追加だけで状態が改善しています。また、経過観察中に拒絶反応は6%、角膜感染症は1.5%の症例で起こりました。この2つの合併症は、早期診断・早期治療により、ほとんどの症例で視力に影響が出ることなく、治癒していました。


次に、術後視力の経過を表に示します。
まずは裸眼視力の経過です。

経過中、裸眼視力は0.2程度で安定していました。


次は眼鏡による矯正視力の経過を表に示します。角膜移植の手術後に良好な視力を得るためには眼鏡による矯正やコンタクトレンズによる矯正が必要となります。ただしコンタクトレンズは角膜移植術後ですとフィッティングが難しく、装用感が悪いことが多いこと、角膜表面に直接載せるものですので移植した角膜への影響が無視できないこと、などを考えると眼鏡による矯正の方が安全で、より良いといえます。そのため、今回の調査では眼鏡による矯正視力をまとめました。
眼鏡矯正視力は、手術から時間が経つにつれて徐々に向上していく傾向が見られました。
全症例のうち、眼鏡による矯正視力が0.5以上だった症例の割合は、手術後1年以上経過すると90%以上という高い割合になりました。また、眼鏡による矯正視力が0.7以上の症例の割合は手術して半年後には70%を超え、手術後2年以上経つと80%を超えました。


自覚乱視度数の経過も表に示します。
乱視の度数は3 diopter程度で安定していました。


今回当院でまとめた円錐角膜に対する角膜移植手術の成績は大変良好なものでした。これは、アメリカでの円錐角膜に対する角膜移植術後長期経過をまとめた論文などと比較して、遜色のない結果です。このように良好な術後視力が得られた原因としては、術中・術後の縫合糸のアジャストメント(角膜移植の際にドナー角膜を縫合した糸を手繰ることで乱視を減らす処置のことです)により乱視軽減に努めるなど、適正な術後管理を行っているためと考えています。
 
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